日本では桜の花が咲き始めるころのこと。
とある一人の大きな龍が、この広大な平地にある、大きな龍よりもはるかに巨大な建物を黙って見上げていた。建てられて間もない…と言っても、かれこれ3・4年は経っているだろうか、その建物や辺りの小さな砂粒でさえ静まりかえっていた。
それから数分の後、大きな龍は振り返り、一瞬だけ小さく笑ってみせると、その場から羽ばたき始め、周りの木々を大きく揺らすような強い風を巻き起こしつつ飛び去っていった。
…そして、また何も無かったように辺りは静まりかえった…。

 

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