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白夜の妖狐 − 旧・小説投稿所A
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白夜の妖狐
− 現実 −
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儂の心は重たがった。

あの少年に心惹かれていたのは事実だった。

だが、心を打ち明けるにはとうの昔に輝きを失っておった。

まして、苦しめた人間に我儘を押し通すのは儂にはできぬ。

その反動で他生物を、人間を受け付けぬようになった。

すっかり躯は痩せ細り、動く事も億劫に感じられる。

感覚の鈍い瞼を懸命に働かせ視界を展開させた。

緩い日光も今では眩しく感じる。

小栗鼠が親を恋しがるかのように腹が哭きおった。

「腹が減ったの……」

だが、食欲は湧かぬ。

喰っても躯が受け付けぬ。

喰っても吐き出してしまう。

それはただ、苦しめるだけ……

それなら喰わないのが得策。

無駄に苦しめる事こそが、

今の儂に取っての苦しみだ。

「っぁ……」

視界が霞んだ。揺らいだ。

くく……もう……限界じゃな……




今日はなんかいい感じなので
もう一個投稿します♪

<2011/12/14 22:47 セイル>
消しゴム
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