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見上げれば確かにそこに空がある − 旧・小説投稿所A
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見上げれば確かにそこに空がある
− 序章 −
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風が吹いた。ただそれだけの事なのだが、何故か今日はやけに気になる。

特に理由があるわけでもない。ただそう思っただけだ。
昨日よりも風が冷たいからなのか。それもあるかもしれない。
ただ分かるのは、やけに風が染み渡るような感覚だけ。

やれやれ何を考えている。
そう思い軽くため息をつく。そんな自分が可笑しくて音もなく笑ってしまった。

上を見上げれば、真っ青な空が手に届きそうなほど、近くに感じられた。
やはり標高が高い所は落ち着く。

そういえば、最近は下界に降りていない。
大地から見る景色はどうであっただろうか。あまりにも長い間ここに居るせいで忘れてしまった。

まあ、どうせ考えても仕方のないことだ。下界に降りれば間違いなく騒ぎが起こる。

【悪の化身リザードン】
昔、そう呼ばれていたのを思い出す。
体が漆黒で目が深紅に光ること意外、普通のリザードンと変わらないはず。
それに、愛想もいいと自負しているのだが。
どうやら世間は自分を認めてはくれないようだ。

そんなことを考えていても寂しいだけなので、その場にごろりと寝転がる。

蒼い空が眼下に広がる。
その広大さと威厳に、押し潰されると思った。

寂しくないと言えば、嘘になる。しかし、これはどうしようもないことなのだ。

どこかから吹き付ける冷たい風が、肌に突き刺さる。それをごまかすかのように、軽く口を開けて、炎を吐いたのだった。


お久しぶりです。ミカです。
今まで書いた小説を振り返ってみると、どれも♂だけのむさいキャラクターしかいなかったです(汗

なので今回は、思い切って♀を出してみました。
この小説に全力をかけますから、皆さまどうぞ末永く完結までお付き合い頂ければなと思います。
更新は毎週一回を目標に頑張ります。いろいろリアルが忙しくてっ(>_<)

長々とすいません。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
<2012/06/07 13:18 ミカ>
消しゴム
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