その一部始終を空から見ていたカイリューは、
羨ましさの余り、だらしなく口を広げて……

「あぁ……食べられちまった。」

カイリューは……
いつまでもボーマンダが、エーフィーの後味を……
美味しく後を引く、のど越しを……楽しんでいる様子を、ずっと恨めしそうに見ていた。
しばらくすると、開いていた口から……デロォォ……と唾液が滴り落ちて、
その唾液の一部が……ベタァァ……とグラエナに降りかかり、

「……うっ……」

小さくグラエナが呻き声を上げた。
その声でカイリューの注意が、グラエナの方へと戻る。
自分の手の中のグラエナと、ボーマンダのお腹の膨らみとを、交互に見比べて……

唐突にカイリューが残念そうに……ため息をついた。

「俺もエーフィがよかったな〜
 ぁ……まぁいいか。こいつもどうするかな……。」

カイリューは自分の手の中のグラエナを、
色々と弄くりながら……どうしようかと思案する。

「はぁ…はぁ…」

グラエナはただ、苦しそうに呼吸を続けていて……抵抗も出来ない。
いや……まるで、抵抗する気が全くないようだった。

何時までも……優柔不断にどうしようかと、
まごついているカイリュー……その間に、
エーフィーを堪能し尽くしたボーマンダの表情が、邪悪に歪んでいき……
笑みをこぼしながら小さく呟く。

「さてと……次は……」

ギロッっと急にボーマンダが、カイリューに目を合わせて睨みつけた。
そのまま、隙だらけのカイリューを睨みつけたまま……
空に飛び上がると翼をバササと羽ばたかせ、一直線に突っ込んでいった。

「オラッ 体当たりー!」
「んあぁ!? ボーマンダいきなり何のつも……ぐはぁぁぁ!!」

気が付くのが遅すぎた。
カイリューの目の前には、すでにボーマンダが迫っていて……
そのまま、まともに体当たりを受けた!
体をくの字に曲げて、真後ろに吹き飛んだカイリューは、痛そうに呻く。

その拍子にカイリューの手から……
掴んでいたグラエナが、ポロッとこぼれ落ちていった。

無言で地面に向けて落ちていくグラエナ。
もはや虚ろのその目には……意志の光が宿っていなかった。
無防備に落ちていくグラエナを、ボーマンダが空中で大きく口を広げて、
タイミングよく咥え込み、そのままカイリューの元からグラエナを奪い取った!

そして、まったく警戒していなくて、隙だらけだったカイリューに
ボーマンダは、馬鹿にするように笑いながら声をかけた。

「やっぱ あれだけじゃ足りねーよ、悪いな、カイリュー。
 お前がくわねえならコイツも、俺がもらってくぜ!」

グラエナを口で咥え込んだまま、ボーマンダは飛び去っていく。

すぐ後、カイリューは苦しそうに腹に手を当てながら、
ゆっくりと顔を上げて、ボーマンダが飛んでいく方を睨みつけた。

「いってぇ〜……。ボーマンダ、何すんだよ!!
 ……って、あぁ!! 俺のグラエナが!!」

自分の獲物のグラエナが、奪われたことに気がついたカイリュー。
急いできびすを返して、ボーマンダの後を追って飛び急いだ。

当然、先に飛び立っていったボーマンダは、
すでにカイリューと間に、かなりの距離の差をつけていた。
当分の間、カイリューが追いついてこれないだろうと、
判断したボーマンダは、離れたところにある平地に地響きを立てて降り立った。

そこで、一度……
グラエナを自分の手に向けて、荒っぽく吐き出す。

ベシャアアっとボーマンダの手に吐き出されたグラエナは、
まったく身動きする様子が無く、大人しくしていた。
それならそれで……好都合だとボーマンダは、笑いを浮かべている。

そして、無抵抗なグラエナを……

「ヘヘ、それじゃあアイツもいなくなったところで……
 お前も俺のエサになってもらうぜ!」

さっそく食べようと顔を近づけていき……思わず顔を遠ざける。

「んっ、臭っ!あいつの唾液の臭いか、これは! 
 こんなに唾液まみれにしやがって、これ喰えんのか?」

ボーマンダとカイリュー……
2匹の捕食者の間を往復し、相手が変わる度に口の中で、
執拗に嘗め回された結果……グラエナの体は全身唾液まみれになっていたのだった。

ある意味自業自得なのだが……
どうやったら美味しくグラエナを食べられるかを、
ボーマンダは少し考えて……とりあえずグラエナをゴシゴシと、
その辺の草に押し付けて唾液を拭い取ろうとする。

それでも、グラエナは何も言わない……
何をされても抵抗する様子はない……ただ、涙だけが流れていた。

その間にも、ボーマンダはグラエナに付着した唾液を拭き取ろうと、
奮戦していたが、まったく上手くいかない……業を煮やしたボーマンダ。

それならば、少しでも綺麗にしようと……
グラエナの全身を自らの舌で、細かくベロベロと舐め取りだした。

「……ウ……ウ……」

流石に舐められると、グラエナも反射的に声をだしたが……
目は相変わらず虚ろで、光を見いだすことが出来ない。

「くそー、アイツ目……こんなに唾液ベットリにしやがって!」 
「うるせぇ!!お前の涎だって気持ち悪かったんだぞっ……て、返せよ!!」

なかなかカイリューの唾液を舐め取る事で出来ず……
イライラを募らせて毒づくボーマンダに、
やっと追いついてきたカイリューが、それは俺の台詞だと言わんばかりに言い返す。

頭から湯気が立ちそうなぐらい、怒り心頭のカイリューに、
目だけを動かして睨みつけるボーマンダは、

「あ? いやぁ俺もグラエナ、喰ってみたかったんだよな。
 ……それにこんなの強い奴が、全部喰えばいいんだよ。」

……やはりカイリューを、小馬鹿にしたように言い放った。
その間にもグラエナを舐めるのを止めることはなくて……
次第に唾液の味が薄れ始めて……グラエナ本来の味が、ボーマンダの舌に刺激を与え始めた。

「よーし! そろそろ唾液以外の味もしはじめたぞ。」

ようやくグラエナを食べる準備が完了したボーマンダは、
さっそく大きな口を大きく広げて、グラエナに顔を近づけていくと……

「お前はさっきエーフィを食っただろうが!!」

いきなりカイリューに尻尾をつかまれると、
そのまま後ろに引きずられてしまい、一瞬遅れて閉じた口が……
ガチッ!と牙が噛み合わさる音と共に空を切った。

「いきなり何するんだよ! 
 飯の邪魔するな、お前はウサギでもとってろ!」

思わぬお預けを喰らい、頭に血が上り始めたボーマンダは険悪な表情で、
未だ尻尾を掴んでいるカイリューを怒鳴りつけた。

「ウサギってどこにいるんだよ!!」

その言葉に先に怒りが頂点を越えたカイリューが、
よく分からない言葉を叫び、その後、ルギアに対してやったときと……
同じように、口をボーマンダに向けて開く。
するとと口内で光が……シュワァァァっ……と集中し始め破壊光線の準備を始めた!

「げ、マジかよっ! クソッ尻尾をはなせ!」

ギョッとした表情を浮かべて、慌ててその場から逃げようとするボーマンダだったが、
尻尾を捕まれているせいで、7逃げ出すことが出来ない事に愕然とする。

冷や汗を浮かべながら……ボーマンダは、
今にも発射されそうになっている、カイリューの破壊光線の光球を見て……

「チクショー、みんなしてジャマしやがって!」

ボーマンダの顔に今日、初めて……恐怖が浮かんだ。

そして、カイリューの口から……

「破壊光線!!」


ドゴオオォォォォ!! 


極太の破壊光線が解き放たれ、
至近距離からボーマンダの胴体に……正確には腹部に命中する。

「おがっ! ぎゃあああああああ!!」 

直撃の衝撃で、文字通りボーマンダの体がくの字に折れ曲がり、
悲鳴と共に開かれた口から、大量の唾液が吐き出されて……

(今よっ……!)

さらに、ボーマンダの口元に一瞬、青い光が走った。
そのすぐ後に……

「おうっ……うっうっ……ぶへぇっ」

最後の力でボーマンダの口元に、テレポートしたエーフィー。 
さらに勢いを増してきている破壊光線で、さらに強い衝撃を、
腹部に受け続けているボーマンダの口から、唾液と共に空高くはき出された!

「……うげぇ……あいつ食ったものを出しやがった……
 だが……フゥフゥ……思い知ったか……」

全力を振り絞らないといけない破壊光線……
その反動で動くことの出来ないカイリューは、それでもボーマンダに対して悪態をつき、
飛ばされていくボーマンダの姿を、薄く笑いながら見ていた。

なおも勢いの衰えない破壊光線は、そのままボーマンダを高く跳ね飛ばしていく!

その途中で、ボーマンダが体をよじり破壊光線から逃れた。
かなりのダメージを受けて痛そうに翼を、羽ばたかせながら、
その場にホバリングを続けて……痛みを堪える。

「ぐっ……ぐふぉ……やってくれたなカイリューのやつ……
 だが、もうこれで……うぐっ……奴は当分の間、動くことが出来ないはず……」

その証拠にカイリューは破壊光線を放った場所から、今も一歩も動けないでいた。

そうしている内に……
エーフィーが放物線を描いて落ちてくる。


べちゃっ!!


「うぎゅっ!……」

地面に落ちた衝撃で、デロォォォッとしている、
ボーマンダの体液を辺り一面にまき散らした。
以前はあれほど綺麗だった、全身の毛並みの輝きを失い……
エーフィーは力なく、ベトベトの中に倒れた。

「もぅ……無理……だわ……」

正真正銘の最後の力を振り絞ったエーフィーは、
もう欠片ほどの力も残っておらず……
少し離れたグラエナに疲れた顔を向けると、横たわったまま動こうとしない……



そのエーフィーを忌々しげに睨みつけながら
ダメージから復活したボーマンダが空からゆっくりと降りてきた。

「くそっ やっぱエスパーは喰いづらすぎるぜ!」

それならばと視線を動かし……
すぐ近くに倒れたままのはずの、グラエナのいた場所にギロッと目を移した。
そこにはやはりグラエナが倒れていて、

「よしよし、大人しくしていてくれたな。……やっぱり喰うならグラエナだな!
 ……ん? ちょっと待てよ……あいつも……」

今すぐにグラエナの元へ飛んでいこうとした瞬間に、
エーフィーが、まったく動かないことに気が付いたボーマンダは……
その場に止まり少し考えて、

「と思ったが両方動けないようなら……両方いただいておくか!」

言うが早いか、直ぐさま空を飛び回り2匹を1箇所に集める。
ボーマンダは、足下に綺麗に並べたグラエナとエーフィーを交互に嬉しそうに眺めて……
一度……ジュルリ……舌なめずりをする。

「よーしグラエナちゃん待たせたな! まずはお前からだ!」

だんだんと近づいてくる、ボーマンダの大きな口を前にしても……
グラエナはこの期に及んでも虚ろな瞳をしている。
……その様子は早く楽にしてくれ、と言わんばかりだった。

そのグラエナの願い通り……


バクッ!


グラエナを口の中に入れて頬張るボーマンダは、今度は邪魔をされない内にと、
急ぐように……ングングと、顎と舌を動かし口の奥へと運んでいく。
何の抵抗もなく、喉のすぐ目の前まで運ばれていくグラエナ。

……そして、

「唾液まみれだったけど、お前もなかなか美味かったぜ!
 ……じゃあな!」


ゴックン!


礼の言葉を贈り、そのままグラエナを飲み下した。
それでも、何も言わず……何も叫ばずグラエナは、
チュルリとボーマンダの食道を通り……そして、消えていった。

ボーマンダはグラエナが、喉を通って落ちていくのを感じながら
一度、カイリューに目を向けて、まだ動けないでいるのを確認する。

「もう、後一匹だぜ……カイリュー、残念だったな!
 最後の一匹も食わせてもらうぜ、どうせ動けないようだしな!」

ボーマンダは憎たらしげに……笑い。
カイリューは動くことも出来ず、忌々しげに『クッ……!!』と呻く。 

そのカイリューの様子に満足しながら次に目を向けるボーマンダ。

「次はお前だ……エーフィーちゃん。」
「ぅ……」

グラエナの時とは違い若干、ボーマンダを恐れるように反応するエーフィーに
これはこれで、楽しみが沸き立ってくるのを感じているボーマンダだった。

エーフィーの耳元まで顔を近づけて、
ボーマンダは言い聞かせるように話しかけて、

「お友達と仲良く、俺の体の一部になりな。」

そのまま、シュルルっと舌を伸ばしたかと思うと、
エーフィーの下半身をクルンッと巻き取り、そのまま口の中へと運んでいき、


バグンッ!


エーフィーの頭が、口から出るように下半身を咥え込んだ。
再びボーマンダの口にむしゃぶりつかれて、エーフィーは……

「ぅぅう……」

喘ぎ声を上げながら、再びボーマンダの口の中の感触を、
……エーフィーは嫌と言うほど味わうこととなった。


ヌチャ……ムシャ……ネチャ…… 


生々しい音共に下半身からゆっくりとエーフィーを、
口の中へと引き込んでいくボーマンダ……それと同時にグラエナがついに……


ジュルル……ズリュッ!


ボーマンダの食道を滑りきり、胃袋の中に落ち込んでしまった。
グラエナの体が、ボーマンダの腹を大きく膨らませる。
それはエーフィが入っていた時より若干大きかった。


さらに……エーフィーも、
あの時と同じようにボーマンダの口の奥へと運ばれて……

「お前みたいなすましたエスパーみたいのが、
 俺みたいな奴のエサになっちまうなんてなぁ。」

エーフィーには礼ではなく皮肉で話しかけるボーマンダ。
手強かった相手を……今度こそ食べれる嬉しさで、自然と言葉に笑みが含まれていた。

「今度こそ俺様の腹の中で、ゆっくりとトロけな!」


ゴクン!


とうとうエーフィーも飲み下したボーマンダは、
十分の満足感を得て、口からあふれ出していた唾液を
……ジュル〜リッと後味を楽しむかのように舐め取った。

「ふーっ……げっふー!」
「ああぁぁぁ……俺の……食べ物が……」

満足そうにため息をついているボーマンダの喉を通って、
胃袋に落ちていくエーフィのあとを未だ動けずに見つめるカイリュー。

とうとう今日、何一つ食べ物を食べることの出来なかったことに……
ショックを受けて、うっかりとあのことを忘れ去っていた……

そのカイリューにボーマンダが、嫌みな顔を浮かべて近づいていく。

「さあ〜て……お前はどうするかな?」

カイリューとは逆に獲物を2匹も平らげて、お腹を膨らませているボーマンダ。
まだ動くことの出来ない、カイリューのすぐ目の前まで来た瞬間……

「どけっ……邪魔だ!!!」

怒号のような叫び声が、ボーマンダの後ろから襲いかかり……


ズシャアアアア!!


白くて太い何かが、ボーマンダを地面に叩きつけ、めり込ました!
一瞬のことで、逃げることもかなわなかったボーマンダは、

「ゴバァアア!! ウギャァアア!! …………」

凄まじい絶叫と共に意識が薄らいでいって……そのまま気絶してしまった。
そして、ボーマンダを気絶させた張本人は、カイリューに向かって突進して突き進んだ!

「ル、ルギア! もう戻って来やがったのか!」

その言葉にルギアは何も答えずに……
そのまま足から踏みつけて、のし掛かり押し倒した。


ドッシィィーン! ズシャア!!


「グォッ……アグゥゥ……い、息ができねぇ……」
「……さぁ、カイリュー……覚悟は良いか?」

ルギアは自分の大きな足で、容赦なくカイリューを地面に押し付けて、
淡々とカイリューに話しかけた……
苦しそうに手を上に伸ばして、ルギアの足下を掴み抵抗するカイリューだったが、
その行為は、びくともしないルギアの足の前に……

全てが無駄に終わった。

「覚悟は出来たかと聞いているのだが……
 答えがないのなら……さっそくこのまま食べさせてもらうぞ!」

すでに一度、カイリューの味見を済ませているルギアは、
話している内にその事を思い出してしまい。

ポトポトと唾液が溢れてきて……口を伝わり、
地面にカイリューに向かって、滴り落としていた。

「うっ……きたねぇ……くそ、来るな!」

降りかかるルギアの唾液を、嫌そうに振り払っているカイリューに、
ゆっくりとルギアは首を伸ばして頭を近づけていく。

そして、カイリューの目の前まで来ると、
一度動きを止めて、なるべく聞き易く……丁寧に簡単な一言を呟いた。

「フフフ……頂きます。」
「ああ、……止めろ……食べないでくれ!」

カイリューの目の前で……グパァーと開かれていくルギアの大きな口。
目の前だからこそ分かる……唾液が溢れているルギアの口内……
その奥にある薄暗い喉が目に入る。

それを……明らかな恐怖の浮かんだ目をして見ていて、
あの時と同じようにルギアの口に手を伸ばし、掴みかかるカイリュー

しかし、それすら今のルギアを止めることは叶わず、
いとも簡単にはね除けられた。

そして……


ガブリッ!


「ウギャアアァァァ……!!」

ルギアの大きな口に一気に上半身まで咥え込まれ、大きな悲鳴をあげるカイリュー。

そのままルギアはカイリューの体を、足の踏みつけから解放して、
咥え込んだまま首の力だけで、カイリューの巨体を持ち上げていき……
胸の辺りまで持ち上げると、ガッシリとカイリューの暴れる下半身を抱え込んだ。

ルギアの口の中では、顎と舌を使いムグムグ……アグアグ…と
カイリューを口の奥に引き込んでいく。


クチュア……ネチャッ、ヌチャッ……ビチャア……


「ゴブゥ……ウック……ブハァ……」

その拍子に何度も舐められ、唾液の水たまりに頭をつっこみ……
カイリューはグラエナにやったことを……
今度は、自らの身を持って味わい尽くしていた。

「うう……このまま俺は……食われて……」

すでに下半身の殆どを、ルギアの口の中に引きずり込まれ……
目の前にルギアの胃袋につながっている、喉の滑り台が迫って来ている。


ルギアがカイリューを食べるのに夢中になっている頃……

「うっ……ぅぅ……さっきのは、いった……あぐっぅ!」

やっと意識が回復してきたボーマンダが、顔を上げたその瞬間に
ビキッ!と顎に鋭い痛みが走り……
余りにモノ激痛で、何も喋ることが出来無くなっていた。

それでも、何とか自分をこんな目に遭わせた
ルギアのいる方に目をむけて睨みつけ……だが、

(カ、カイリューがあんなに……
 あんなに……あっさりと食べられてるだと……)

すでにルギアの口からは、カイリューの尻尾しか見えておらず。
その尻尾を伝ってルギアの唾液が……
ポタポタと地面に滴り落ちている姿が、ボーマンダの目に飛び込んできた。

そして、ルギアは頭を空に向けて上げていき……
最後の仕上げに、限界まで大きく口を広げて、カイリューを喉の奥に落とし込んだ!

「く、くそー! 俺の最後が、こんな!! 
 ……ぁああ……うわぁ……うわぁぁぁあああ!!!」

最後までカイリューは足掻き続け、絶叫と共にルギアの喉に落ち込み……


ゴクリッ!


そのまま飲み下された。
ルギアの長くて太い喉が、カイリューの体に合わせて、大きく膨らんでいき……
それでも、詰まることなく徐々に喉を下り、生々しい音を立てて落ちていく。


グニュッ……グリュリュ……ジュルジュル……
ズブズブ……ズリュッ!


長いルギアの喉を滑り落ち……最後に通りすぎて、
ついに胃袋の中に落ち込んでしまった。
大きな獲物を食べたことで、ルギアのお腹がかなり膨らんでいき、
まだ、カイリューが中で暴れているのかまだ、ボコボコとお腹が動いている。、

それを軽い満足感に浸り、笑みを浮かべながら見ていたルギアは、
自分の手をお腹に当てて、ゆっくりと優しく撫で始めると……
次第にお腹が動かなくなっていき……動きが消えた。

静かになったお腹の感触を確かめて、ルギアは何故か顔をしかめると……

「まだ、カイリューだけでは物足りない……
 確かあの時、獲物は2匹いたはずだから、まだ何処かに……」

まだ完全に満たされていない自分のお腹を、
さらに満たそうとルギアは、辺りを見渡す……その前に、
ふとカイリューを食べようとした時に、何か生き物らしき者を見たような、
気がした事を思い出して、後ろを振り向いた。

「ん? ……何か見たかと思ったらボーマンダだったのか。
 ちょうど良い、お前も私に食べられてくれないか?」
(くっそ……こっちに気が付きやがった。
 ……こっちは体が動かねぇっていうのに……どうしろって言うんだ!)

ルギア自身の重さと、お腹の中のカイリューの体重が合わさり
ズシンッ!、ズシンッ!と地面を大きく揺らして、
近づいてくるルギアの姿を……ボーマンダは睨みつけるだけで、
為す術もなく待っていることしかできなかった

倒れているボーマンダの近くでルギアは立ち止まり……
その大きな頭を首を伸ばして近づけていき、話しかけた。

「……どうした? お前はカイリューのように抵抗もしないのか?
 私の問いの答えもない、抵抗もしないのなら……」
(ぐぐぐっ……答えられるわけがねぇだろが!
 ……てめぇがてめぇで俺を喋れなくしたんだからな!)

淡々とボーマンダの目の前で、言いたいことをルギアは話していく。
その話を顎が痛くて喋れないボーマンダが、
当たり前のように何も言い返せず、動こうにも動けずにいると……

「フフフ……そうか。 何も答えないと言うことは……
 お前を食べても良いのだな……
 抵抗したカイリューとは違がって、ボーマンダ。
 ……お前は優しい奴だ。 私は、心から感謝するぞ。」
(ち、ちが……違うだろ! 俺は何も言って……あぐうっ!)

カイリューの時とは違い、まだ味見のしていなかった、
ボーマンダを、まず最初の味見をしようと……ルギアは、軽くペロリと一嘗めした。

尻尾の先から頭の先まで、じっくりと嘗めて味見をしていく、
ルギアの舌の感触に、途端に喘ぐ声をあげそうになり、
鋭い痛みでまた蹲るボーマンダ……。

ひとまず味見を終えたルギアは、まずペロリと自分の口を嘗めて、

「……ボーマンダ、お前もカイリューに劣らず、
 とても美味しい味をしている……食べさせてくれて感謝するぞ。」

本気で礼を言ってから、ボーマンダを咥え込もうと、
ルギアが大きな口を開らき、舌が伸びて……
再び、ポタポタと唾液を滴り落としながら、徐々に迫っていく。

(……くそ……もう駄目なのか……
 今日はあんなに美味しい獲物を、2匹も食べられたって言うのに……)

ボーマンダは自分のお腹に収まっている……
グラエナとエーフィーの感触が、今だしっかりと伝わってきて、
自分がやっとの思いでありつけた2匹を……
自分もろとも、一緒に食べようとするルギアに対して、だんだんと怒りがわいてくる。

そして……


ガブゥッ!


「……がっ! ……うっ、うう……」

もちろん怒りだけでは、ボーマンダの体が……
直るわけだも無く……動くわけでも無く……

無情にもルギアの口に頭を……丸ごと咥え込まれた!

牙が軽く食い込むと鋭い痛みが顔に走り、
悲鳴をあげようにも痛みで、それすら出来ないボーマンダ。

「ん? すまないな……折角自ら食べられてもいいと……
 言ってくれたのだから、もう少し優しく食べてやろう。」

今度のルギアは、顎を余り動かさないようにして、
舌と手を使いなるべく……ゆっくりと口の中へとボーマンダを引き込んでいく。

(そ、そんなこと言ってねぇぞ! ……うっ!)

ルギアの口の中に引きずり込まれながら、ボーマンダは心の中で叫んでいた。

しかし、実際の所……ルギアにとってボーマンダが、
そう言ったかどうかはすでに問題ではなくて……

自分が聞いて、相手が何も答えなかった……
だから食べても良いのだと、すでに解釈されていたのだった。


ング……ピチャ……ン……ヌチャ……


生々しい音を立てて、律儀にルギアは噛まないようにと……
舌を上手く使って、ボーマンダの体をゆっくりと引き込み続けていった。

すで上半身までを、口の中に咥え込み、
……ボーマンダの頭は、すでにルギアの喉の中にあった。

そこで不思議と、ルギアは飲み込むのを止めて……
一端、ボーマンダを咥え込んだままの首を下ろした。

(うう……ここは、口の中では……ないのか?)

ルギアの喉の中で、波打つように動いている肉壁をボーマンダは見ていた。
そして、ルギア方は……さすがに疲れてきているのか……ため息をついて、

「ふぅ……さすがに傷つけないように、飲み込むようにするのは……疲れる。
 だが、ボーマンダの好意を無下にするわけにもいけない。
 ……何とか、頑張るか。」

再びルギアは首を持ち上げていき、ボーマンダを咥え込んだまま頭を上げる。
そして再び、舌と手を使って……ゆっくりとボーマンダを飲み込み始めた。


ングッ……ピチャ……ンムッ……ニチュア……


(んっ! ああう……おうっ……くそ、また意識が……)

段々と朦朧としてくる意識の中で……
ボーマンダは全身をルギアの肉壁に締め付けられて、
運ばれて行き……もう目の前まで、胃袋の入り口が見え始めていた。

ルギアの口には、ボーマンダの尻尾の先だけが見えていて……
それが、もうすぐ……


……ジュルル………ズブズブ……ズズッ……ズリュッ!


音を立ててボーマンダの頭は、胃袋の中に落ち込んでいき……
尻尾は完全にルギアの口の中に消えていった。

胃袋に入り込んだボーマンダの頭が最後に見たのは……

(……カイリュー。 けっ! こんな奴と最後を一緒に過ごすとはよ!)

最後に見たのはルギアの胃袋の中で体液の中に、
浸かりながら丸くなり、眠っているように目を閉じているカイリューの姿だった。

そうしている内に胴体の方も……
ルギアの喉を膨らまし、次々と胃袋の中に押し込まれていき……


ゴクリッ!


カイリューの時と同じ音を立てて、
ルギアはボーマンダの体全てを飲み下し、胃袋に収めてしまった。

ルギアの胃袋の中でカイリューと同じように丸くなり、
体液に浸かるボーマンダは、薄れた視界の中で少し自嘲気味な笑みを浮かべると……

(つくづく今日……は、つい……て、なかっ……た……)

そう最後に思い……意識を閉ざしていった。



カイリューとボーマンダを食べたルギアのお腹は、
2体の体の大きさの分……デップリと大きく膨らんでいた。

「ゲフッ! むぅ……さすがに食べ疲れた。」

だが、これだけ食べたはずのルギアの表情は晴れない……
1歩2歩と歩くと地面の上に座り込んでしまった。

「……何だか……眠くなってきた……」

ルギアの目が段々と閉じていき、
細まった視界は、ゆっくりと暗くなっていく。

そして、眠気に耐えられなくなったルギアは、
……そのまま横になり、尻尾の先をクルッと自分の口元まで曲げて、
寝る体制を整えると、ゆっくりと目を閉じていった。

そして、目を閉じたまま、、
しばらく自分の膨れたお腹を優しく撫で回していと……

ブヨブヨ……グニャグニャと、柔らかなお腹が揺れ動いていく。
その中では、カイリューとボーマンダが、
お互いに眠るように目を閉じて丸まっていた。

ルギアは知らない……
ボーマンダのお腹の中では、グラエナとエーフィーが
同じように眠るように目を閉じて、仲良く抱き合うように丸くなっていた。

次第に眠りが深くなってきたのか……
お腹を撫でているルギアの手の動きが鈍くなっていき、
その動きが止まったとき……ルギアは完全に眠りについていた。


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