同級生の生徒が増え教室の空気が騒がしくなり始めた時の事…。

…ピンポンパン…

「…ブッ…え〜、只今から新入生の入学式を開始します。在校生の皆さんは速やかにグラウンドに集合して下さい…ブツッ…」

と言う放送が流れた。春の新学期と言って連想するものと言えば、入学式と言う声が多いだろうか。…だが、普通入学式を含む校内の式典は大抵体育館と言う人が多いはずなのだが、ここの学校では何故か外で行われるようだ。

…まぁ、理由は後で話すとしよう…。

その放送に各教室がざわつき始め、一人、また一人と教室を出て外へ向かう人が出てきた。勿論、最初に来た3人もそれについて行くように教室を出て行った。ただ、大勢の生徒の波に呑み込まれそうに窮屈そうにある言って行ったのは言うまでもない…。

外に出た。

グラウンドも程よく整備されていて踏みやすく、野球部の部員が来たら真っ先に練習を始めるだろうという感じであった。
そしてその一角に、学校でよく見かける朝礼台が設置されていて、それを中心に一直線に並ぶ集団が見られた。恐らくこの学校の先生達であろう。
先ほど校舎から出てきた生徒達は朝礼台の中心から少し離れた場所に綺麗に並んだ。その行動は結構速く、こいつらは軍隊か?と突っ込んでしまいそうな程であった。
それから間髪入れずに、隣からガヤガヤと話しつつこちらに向かってくる集団が見えた。彼らもまた、ここの生徒達であろう。…が、それは異様な光景でもあった。
…巨大なドラゴン…亜人と言うには大きく屈強な体をした亜人…小さいながらも狂気に満ちた鮫…とにかく、先に来ていた彼らよりはるかに大きな体を持つ方がぞろぞろと集まってきた。
その集団は、ドスン…ズシン…と言う大地を揺るがすような足音とともにやってきた。
その光景を見れば、小さな幼子であれば大泣きをし、成人でされ驚きを隠せずに失神してしまうような光景であった。
だが、先に来ていた集団はそれに驚きもしない様子で並んでいた。それほどこの状況になれているのだろうか…。
それから後の集団が並び、数秒の沈黙が続いた。
それから、朝礼台の前にどこかで見たような巨大な龍が立った。姿は、一見すればポケ○ンの「ルギア」に似ているが、体には白の幾何模様がなされていた。そして…

「只今より、新入生の入学式を行う!」

大声、と言うより「咆哮」と言った方が分かりやすいか、大地を揺らし、木々をざわめかさんとするような大きな声が一帯に響き渡った。思わず耳を塞いで目を瞑る人も見られたが、まぁ仕方ないだろう…。
そして、その声に誘われるように奥の方から大勢の集団が詰め寄ってきた。その集団は朝礼台を中心に並んだ先生達の前に一列に並ぶ。新入生である。
姿は皆それぞれ異なるものであったが、彼等の目は、これから始まる学校生活を楽しみにするような輝いた眼をする物から、緊張気味に周りを気にする目が多く見受けられた。

「え〜、校長のセイウンです。そして、ここに並んでもらった人達はこの”捕食学校”の新しい生徒達だ。在校生や新入生の諸君、いろいろと大変であろうこの学校生活も、協力し合って過ごしていくように…。」

…ちょっと待て、”捕食学校”って何ですか?…と、突っ込みを入れる人は多いだろう。その説明も後でさせてもらう事にし、今は入学式に集中しよう…。

「以上だ。在校生の諸君は各教室に、新入生の諸君は各の先生方についていくように。では、解散」

…終わってしまったようだ…。その言葉にそれぞれの生徒は教室に戻り始めた。
 
…さて、時間が空いたようなので、この場をお借りしてこの”捕食学校”の説明をさせていただきます。え?お前誰かって?…簡単に言うとこの小説の作者です。まぁそれは置いといて…。
この”捕食学校”とは、さまざまな世界から捕食者・被食者が集まる学校で、校内の捕食行為が殆ど自由となっている学校であす。ただ、それを知らずして入学していく人やここに入学せざるを得なかった人もいるらしいです。
この学校には「被食学科」と「捕食学科」の2つに分けられています。先ほど並んだ集団がそうで、先に並んだ集団は「被食学科」、後から来た集団は「捕食学科」の人達です。
各学科には学科で決められた校則や専門教科もありますが、共通の校則や授業もあり、一般の学校で教えられる教科から現実離れした教科まで幅が広いです。
そして、この学校は「上級生」と「下級生」にも分けられています。まぁ、中高一貫校の「高等部」と「中等部」と考えてくれれば分かりやすいでしょう…。
…っと、説明が長くなってしまいました。では、引き続き本編をお楽しみください…。

 

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