・・・どれだけながい旅を したんだろう。
ちょっと、このおおきな体がさらに 大きくなった気がする。
でも とうとう見つけたんだ・・・。
あれが、きっと にんげんの住む「村」にちがいない・・・。

だけど、大丈夫かな・・・。
とつぜんぼくがあらわれたりしたら きっとおどろくにちがいない。
ゆっくりゆっくり、まずはかおを出すていどに・・・。
ちょっとずつ ぼくをしってもらおう・・・。

ぼくは、村はずれの大きなしげみからそっと村に近づいていった。
にんげんたちの笑い声がきこえる。・・・たのしそう。
あまり大きな村じゃないみたい。 「しゅうらく」って感じかな?
むらのまわりは、かんたんな「ばりけーど」がはられていて、
村の入り口に みはりとうのようなものが2つあって
そこから みかづきのかたちをしたものをもったにんげんが
しゅういを みわたしている。

きっと、わるいやつが来ないようにみはっているんだ。
ぼくもこのままではよそ者だ。
なんとかして”ぼく”を アピールしたい!
じりじりとしげみをかき分け 村に近づいてった。


そのとき!
「ん・・・?な、なんだあれ!?」
「うん、なにか居たか?」
「そこの茂みだ! よくみろ!!」
「・・・ど、ドラゴン!? ウワァァアアァ!!!」

カーンカーンカーン!!!

びくっ!!! な、なに!?なに!?
「ドラゴンが村を狙っている! 迎撃するんだ!!」
え、ええ!? なんなの??

ドサドサドサドサ!!!
こっちに向かってなにか 光るぼうをもったにんげんがはしってくる!
なんだか・・・おこってる・・・・!?
こ、こわい・・・! に。にげないと!!!

バサッ!!バサッ!!
ぼくはきゅうにこわくなっていちもくさんににげた。
「ま、まてっ!!!!」「くそ、逃がしたかっ!!」

はあ・・・はあ・・・。
わけも分からず にげてきたけど・・・。これでよかったのかな?
ほんとうは ぼくをむかえにきてくれてたのかもしれないし・・・
ああ、ぼくもおんなじか・・・。
やっぱり、わからないものは こわいんだよね。
・・・・・・・・・。 よし、もう一度行こう。明日。今日はねる・・・。

その頃、村では会議が行われていた。
次もしあの緑竜が現れたら、確実にしとめる・・・と。
この世界ではドラゴンは非常にめずらしく、竜の体の素材は
当然高値がつく。 大もうけのチャンスというわけだ。
村では、ちゃくちゃくと準備が進んでいた・・・。


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