チャプター3 無人島上陸 航海3日目の朝。 「島だ!島がみえたぞ!おい、リューク!あの島で合ってンのか!?」 「ん〜...間違いねぇな。」 ついにこの時がきた... いよいよこの羽の真相が...分かる... かも... 船を島に近づけ、はまべから上陸する。 見たところ、確かに無人島だ。かなり広い。 解放的に木々が生い茂っている。 「よし!時間がねぇからな。3人別行動で探すぞ!」 そうして3人は別々に島の探索に向かった。 ホントに無人島だよ... 雑草とか延び放題で...こんな所に竜なんているのかな... はあぁ... ...何も発見が無いまま、数時間が過ぎた。 ガサ... 「!! 誰?!」 「オ〜レだよ。ウェイク。」 「リューク...」 「なんだよ〜その顔。何も見つからなかったって顔だな〜」 「............」 「あ〜れ〜?図星?じゃあさ、時間あるならちょっとこいよ!いいもん見つけたんだ。」 「! ホント!?」 「こっちこっち!」 リュークに連れられて着いた場所。 何かを守るように草木がジャマをして見つけにくい場所だ。 「ここさ。」 「これは...」 目の前に広がっていたのはまるでオアシスのような小さな泉だった。 その水は綺麗に透き通っていて、底が簡単に見える。 「ここって怪しくね?絶対何かあるって!」 確かに怪しい。 無人島の筈なのに、泉の周りに丁寧に小石が並べられている。 「あっ!あれって...!」 「ん...?」 リュークが指さす先には... 「あの一回り大きい小石!あれにかいてる紋章って...」 「あっ!ボクの航海日誌にかいてあるのと同じだ...」 2人見合って同時にコクッとうなずく。 そして、航海日誌を取り出し、直感的に紋章の石にかざしてみる... キィン... 「光った...」 「共鳴してんのか?日誌も光ってるぞ...」 コオォ... 「...うわっ!まぶしい!」 突然、日誌がまばゆく光り、反応しだした。 そして... バシュー! 泉から何かがでてきた。 こおりの粒に反射して、キラキラと光り輝いている。 竜だ... 7メートルはあるだろうか... 白い体毛に4まいの羽。耳とその羽の先端は青色がかっている。 見たところ性格は温厚そうだ。 「竜...さ...」 「ホントにいたんだ...リュークの考えは正しかったんだ!」 白いドラゴンはじっとこちらのようすを伺っているようだ。 (ちょっと話しかけてみようか...) 「ボク、ウェイクっていうんだ。よろしくね...」 「...ウエイク〜?」 「あ、喋ったさ...」 ペロ... 「ひゃう!?」 突然舐められて、変な声が出ちゃった... 横でリュークが忍び笑いしている。 「そっちの子は〜?」 「あ、おれか?オレはリュークだ。よろしくな。ドラゴンさん。」 「よろしくね〜。ペロ...」 ちらっとこっちを見るリューク。もしかして舐められるの慣れてる? 「お、や〜?何してるのかな、お2人さん?」 (ゲッ!ブラー!タイミングわるすぎ...!) 「おっ!竜じゃねーか!どけ!モヤシ!」 どか! 「いたっ!」 ボクを突き飛ばしてドラゴンの元へ走っていく。 よろけている所をすかさずリュークが支えてくれる。ナイスフレンド! 「へへっ!ずいぶん探したもんだぜ...」 「ウェイクをいじめないで!」 「!?」 白竜は両手で軽くひょいっとブラー持ち上げる。 「は、はなせ!」 「ヤ〜だ♪」 ププッ...ざまあみろ。 逃げようともがいているけど、あの体格差じゃムリだろう。 「あ、そういやあの竜に名前つけてやれよ、ウェイク。」 「ボクが?え、え〜とじゃぁ...」 「スレイブ!スレイブだ!」 もがきながら何言ってるんだよ... っていうかスレイブって奴隷ってことじゃん...絶対にするか...(怒 「ん〜、じゃぁ...フラミーっていうのは?」 「おっ。いいじゃん?」 「ふらみ〜?」 「そう!今からきみはフラミーだ。」 「おいコラ!名前なんかいいから早く下ろせ!」 (最初にスレイブとか言ったの誰だよ...) ぐうぅ〜... 可愛らしくフラミーのお腹が鳴った。 照れくさそうにほっぺがうっすら赤くなっている。 「お腹ぁ...へったぁ...」 フラミーの目線の先には、おいしそうにあばれる...餌が... その...まさか...? 両手のブラーを口元へ近づけ... パクン! 軽く一口、ブラーはフラミーの大きな口の中へ... 心なしか、にんまりしているフラミー。 これにはボクもリュークも驚きを隠せなかった。 「だ、出せ〜!」 ブラーの声が響いて聞こえる。 「おい、ウェイク...これってさすがにまずいんじゃねーの...?」 「....多分...だいじょうぶだと思うよ。」 「うん〜。お腹へってるけど、呑み込んだりはしないからねぇ〜?」 「らしいぞ。で、これからフラミーどうすんの?」 「あっ...そこまで考えてなかった...」 「ボク、ウェイクについていく〜」 「...困ったな...」 「あっ、ウェイク、いいとこがあるじゃん!ほら、昔よく親に怒られた時、隠れ家にしてた森!」 「その手があったか...あそこなら広いし、誰にも見つからないね。」 「で、どう連れていくんだ?」 「............KY.....」 「ボクが飛んでいこ〜かぁ?」 「気は進まないけど...それしかないね...」 |
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「じゃぁいったっだきま〜す♪」 |
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そう言うと、ブラーと同じようにヒョイッと持ち上げる。 「リュークはちょっとまっててねぇ〜」 「ちょっ!!ストップ!!ストーップ!!何故食べるの?!」 「だってぇ〜」 パクン! (うわ〜、一方的〜...オレも気をつけないと...な...) 「だ、出して〜!フラミー!」 悲鳴を聞く気なんてないようだ。 楽しそうに舌を動かしてあそんでいる。 でも確かに呑み込む気はなさそうだ... 「そういえば...ブラーはどこだろう? あっ、いた。」 口の中...その端の方にブラーはいた。 さっきからやけに静かだと思ったら、気絶してるよ... 「えぇ〜と、つぎはぁ〜」 「あぁ、おれか...おれは...遠慮しとくさ。」 「えぇ〜、なんでぇ〜?」 「えーっとだな、森に着くまでの案内役がいるだろ?」 「あ〜そっかぁ、じゃぁまた今度だねぇ。」 「こら〜リューク!全部聞こえてますよ!抜け駆けはいけません!」 (お〜こわいこわいw) 「あ、そうだ。ウェイク聞こえるか?出発は今日の夜な。」 「えっ!?なんでですか?」 「わすれたのか?今日が31日だ。夜はカウントダウンで街の広場に皆が集まる! そのすきに森へ行くんだ。」 「わかりました。でもその前にフラミー!出して!」 「は〜い♪」 両手をさしのべ、やさしくその上に吐き出しそっと地面に置いた。 ブラーは相変わらず気絶したままだ。 夜がくるまでは、フラミーといろいろ話をきいたり、あそんだりした。 途中でブラーが起きたけどフラミーが恐いのか、何もしてこなかった。 とりあえず夜に出発することは言っておいたけど... よっぽどフラミーがトラウマなんだな...ヶヶヶ 「航海日誌 12月 31日 大発見をした。竜を見つけた! ボクはその竜をフラミーと名づけた。 きくところによると、フラミーは空気中の水だけで生きられるらしい。 他にも生き残りがいるのでは、と期待がふくらむ。」 |