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見上げれば確かにそこに空がある − 旧・小説投稿所A

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見上げれば確かにそこに空がある
− 誕生 −
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一瞬、頭が真っ白になる。
だかその感覚は、瞬く間に鮮やかな桃色へと変わった。

気がつけば、リザードンはサーナイトを抱き上げていた。
その拍子に抱えていた木の実がドサドサと落ちていく。
サーナイトはそれを少し気にする素振りを見せたが、すぐに視線をリザードンに向け、唇をつき出してくる。
迷わずリザードンはその期待に答えたのだった。

その次の日から、彼女は寝たきりになった。
顔を苦いそれに変えて寝床に横たわる毎日。

“つわり”というやつだろう。ほどなくして彼女は食べ物を受け付けなくなった。
唯一食べることができたのは、口当たりの軽く、ほんのりと甘酸っぱい果物類だけだった。

毎日食べても飽きないように、果汁にしたり、それを混ぜたりして彼女に与える。
辛いはずなのに、何でもないように笑顔を振る舞うサーナイトに心が痛んだが、こればかりはどうしようもなかった。

そして季節が一つ変わる頃には、つわりは嘘のように収まり、彼女のお腹は真ん丸と膨らんでいた。

「どんな子が生まれてくるかな」

サーナイトはお腹を撫でながらそう聞く。

「お前に似て、優しい子だなきっと」

彼女のお腹にそっと触れながらリザードンは答えた。

「なら、あなたにも似て、力強い子になるわ」

ふふっと微笑みながら、サーナイトは自らのお腹に触れたリザードンの手を同じく手で包み込む。

いつもより熱い彼女の手。トクン、トクンとお腹越しに感じる子どもの鼓動。
どれも、リザードンの心をじんわりと温めるものだった。




その年、サーナイトは子供を生んだ。
初めてのお産で不安だったリザードンも、我が子の産声を聞いたとたんに忘れてしまった。

「サーナイト! 産まれたぞ! ほら、お前にそっくりだ」

羊水にまみれた我が子を抱えて、彼女の顔の前に連れていく。
元気な女の子で、姿はラルトスだった。

「ハァ……ハァ。リザー……ドン。わたし……」

子どもを彼女の隣に寝かせる。
虚ろな目で、サーナイトは可愛らしい我が子の頭を撫でた。

小さな手をつつくと、力なく、けれども精一杯握り返してくる。

「やっと、会えたわね」

感動のあまり、目に涙を浮かべながら彼女は笑った。
そんな彼女を見ていたリザードンももらい泣きをしていた。

「大切に育てないとね」

虚ろだが、力強い母親のような瞳でリザードンを見るサーナイト。

「あぁ、大きくなるまで我輩らが見守ってやろう」

リザードンは我が子とサーナイトを優しく抱擁したのだった。


やべ、捕食要素入るかなこれ……。

さて、子どもが生まれましたが……どうしましょうか。
この後の展開の要望というか、なんかこんな風にしてほしいとかありましたら、ぜひぜひお聞かせください。作者は自分で決められない小心者です、はい。

んー、ラルトスの設定も考えないと(>_<) てか、これは最初に決めとくべきですよね、すいません(-.-;)
<2012/07/10 00:56 ミカ>
消しゴム
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